折れ曲がり線の円弧近似

 

  直線を一定間隔で、同一平面内で折り曲げて円弧に似せることがあります。

逆に円弧の変わりに一定間隔で折れ曲がった直線(線分)群で代用することがあります。

どちらが基準でどちらが近似か?は いろいろありますが、ここでは直線群を基準、

円弧を近似として話を進めます。

 

  近似円弧といっても、いろいろあります。

   線分の両端を通る円(外接円:青)

   線分の中点を通る円(内接円:赤)

   線分の適宜の分割点を通る円

(緑の例は、四分の一分割点通過を想定)

線分の長さに対して 折れ曲がり角度が十分に

小さい(即ち、曲率が小さく、曲率半径が大きい)

場合は、上記の分類を気にしなくて済むことも

ありますが、ここでは外接円を例にとって

話を進めることにします。

 

 

 

  さて、長さLの線分を 角度αずつ次々と折り曲げた場合の 

近似円弧の中心点は、どこにくるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


   最初の二等辺三角形の中心線は、横方向の基線に対して 90°+α だけ傾いています。

   三角形の稜線は、中心線に対して α/2 の角度をもっていますから、

最初の三角形の左の稜線は、基線に対して 90°+α/2 だけ傾いています。

   そうすると 円弧の中心点は、最初の折れ曲がりポイントから L/2 だけ

左に寄った位置にくるわけです。(これは 近似円の種別によらず、いつでもL/2です)

(原図を描き始める時に注意しないと、折角描いた原図がお釈迦になります)


 

 


  同じことを 接線の傾きで

表現すると、右の図のようになります。

接線は、最初の三角形の左の稜線

すなわち赤い実線に直交するので、

基線から α/2 の角度だけ 

円弧の外側に振れることになります。

 

 

 

 

 

 

 


  折れ曲がりの終端でも似たようなことが起きます。

円弧が終わった部分の接線は、最後の

線分の延長線より α/2 の角度だけ

円弧の内側に振れることになります。

 

 

 

 

  接線の方向を 両端の長い直線と一致させたいときは、下図の方法があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


それは、最初はまず α/2 だけ折り曲げ、最後の長い直線も もう一度 α/2 だけ

折り曲げるわけです。(近似の目的に応じて、使い分けることができます)


 

 

  私どもは、仕事柄 しばしば直管を切り刻んで

曲管(マイター管 とか エビ胴管 と言います)

を造りますが、両端は必ず α/2 にします。

これは、前のページで述べたこととは 全く違う

理由で、そうしないと巧く繋がらないから・・・

ということなのですが、

なにか チョッとだけ似ていますね ・・・・

 

/終わり

 

 

 

 

 


 [国営ひたち海浜公園]

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「ここから曲がるのかな??・・・」